My Sunday Feeling 0515

yukinko

My Sunday Feeling No.142

2022/05/15 A.B.C.Live2022
「LOVE IS LOVE」@高畠文化ホール まほら

この話をいただいたのは昨年の12月21日のこと。
師走の目がまわる忙しさの中、クリスマスにアップするYouTube動画のために、横浜のメリーゴーランドの前で撮影が終わった直後だった。

グッタリしながらマネージャーとカレーを食べようとしていた時に、園山さんから電話がかかってきた。

いつもの優しい口調で、丁寧に説明してくれて、いつもの通りわたしは

「やりたいです!やらせてください!」

と元気良く返事したはいいものの、事の重大さに気付くのはもう少し後のこと。

世界一カッコいいSAXを吹く園山先生(と影では呼んでいる)と、まだまだ未熟なわたしがステージに立っていいんだろうか。

A.B.C.の皆さんやファンの方には、受け入れてもらえるんだろうか。

っていうかわたしでいいんだろうか、わたしに何ができる?

お得意の(一人で勝手に眠れなくなる程)毎晩考え込んでしまった。

園山さんがいつも言う
「音楽を聴いて、心が動くということがまず大事だからね。」という天使の言葉を信じて、毎日の生活を送った。

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それから2人で、高畠ライブの作戦会議会@スタジオでした時に
「山形の無形文化財の楽曲、上山藩鼓笛隊の楽曲をやりませんか」と提案していただいた。

無形文化財というのは本当にたいへんな世界で子供のころから篠笛を吹いているわたしもそういう規律の厳しさのようなものは感じとっていた。
(元々女性が篠笛を吹けなかった時代も長くあり、少しでも別の旋律を吹くことはもちろんご法度なのです。この辺りはまた今度詳しく書きます。)

そういった、「かんぜんな音楽」が求められる楽曲と、SAXとがコラボしていいんだろうか。

誰かを傷付けることにはならないか、そもそもまず誰に許可を取ればいい?

だけれども、それよりも継承者が激減している今「山形の無形文化財を、次世代に繋いでいくことが一番大事」なのではないかと思った。

そして園山さんは、本当にその辺りも深い理解をされている方で(元々かなり博識な園山さん、歴史的背景も全部把握されていてカッコよ過ぎ!)
「その楽曲をリスペクトしながら、コラボしよう。次会うまでにアレンジ考えてくるね。」
と言ってくれた。

4月12日(火)16時。
いつものスタジオに行くと、園山さんがSAXで上山藩鼓笛隊の「礼式」をカバーして聴かせてくれた。

ぼろぼろ泣いた。ほんとうは叫んで泣きたかったほどなんだけれど(「こいつメンタル大丈夫か!?」と心配されるのを恐れ、かなりおしとやかに泣いた。つもり。)

子供の頃から吹き続けてきた楽曲、先代が亡くなりなんとかしなきゃと動き回っていたものの、何にも出来なかったこの楽曲が、奥羽山脈のようにすごく誇らしそうにしているように聴こえ、表情が立体的に目に見えた。

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5月3日(火)13時。
A.B.C.の皆さんと初めまして。
スタジオのロビーでマックを食べている皆さんに、親近感が湧いた。
その後で、仁さんや上野さんと光源氏の話をして笑いあったりしていたんだけれど。
園山さんは、あの楽曲を皆さんに受け入れてもらえるか、心底ドキドキしていたらしい。
変なところ脳天気でごめんなさい、園山さん。

初めてメンバーや社長の前で演奏したときの、皆さんの真剣な表情がわたしは忘れられない。

この楽曲にはこんな力があるんだ、このことを絶対に忘れてはならないなと心に誓った。

物事はっきり言ってくれる仁さんも、寡黙な松尾さんも「すごくいいね」と言ってくれたことに、正直驚きました。

リハーサルの帰り道、園山さんとグーパン?で「頑張ろうね。」と約束し合った。

それから本番まではあっという間でした。

日本の音楽を創ってきた皆さんのリハーサルに混ぜてもらえたことは、すごく勉強になることばかりで。

キーだけ決めたら、あとはもう会話の続きのように練習をすすめていくこと、休憩なんかほぼしないで、ぶっ通しでリハをする様子は、今までどれほど忙しい音楽人生だったかが安易に想像できました。

緊張している最後のゲネプロの日、社長が作ってきてくれたたけのこおにぎり、涙が出るほど美味しかったなあ。

同じく山形出身で女性の社長がその場にいてくれるだけで、わたしはすごく癒されていました。

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5月14日(土)13時。高畠入り。
駅では上山城から甲冑を借りてきてくれた父母がお迎えしてくれる。
とにかく空気が美味しい。空が美しい。
この土地が歓迎してくれているような、あたたかい気持ちになりました。

ホールのスタッフさんは山形の方々が多くて、実家が徒歩3分のような方も!
なんだかそれだけで懐かしくて嬉しくて。

甲冑の着付けを手伝うために、会場でリハーサルを見学していた父母。
最初は遠慮気味に後ろの席にいたのに、最後には一番前に座っていたのには笑った。

18時半、ゆきおきクラブツアーメンバーと合流するため私だけ米沢市へ。

ジローさんの誕生日なのに(齋藤茂吉と同じ誕生日!)みなさんの会食に混ざれないことが心苦しくて、前の夜に皆さんに書いた手紙をお渡しして、米沢牛のお店へ。
(手紙を渡すとき、なんだか照れ臭くて「遺言書です」とか言ってた気がする。なんだそれ。)

米沢での夜は、ファンクラブの方々と、もう声が枯れるほどゲラゲラ笑いました。
わたし、この人たちに出会えただけでもう人生得してると思った。
「いつでも帰れる場所」を提供してくれて、本当にありがとうね。だいすきです!

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5月15日(日)朝3時半。

本番前夜なのに、まあお酒を呑みすぎたのも相まって、気持ちが高ぶったまま全然眠れない。
どうしようかと思って、ずっと 「LOVE IS LOVE」を繰り返し聴いてうたう。

7時半。
本番の日の朝ご飯、みなさん緊張されているのかな?話しかけない方がいいかなあ…。
だなんて、私の要らない心配はなに。
いつも通りの会話と、いつも通りの笑顔がそこにあって
その姿にも「やっぱりこの方達大物だ」と感じてしまったのでした。

12時。
本番前は人と話ができなくなるわたし。
女性控室にいたライターのお姉さんが、すごく自然にことばをかけてくれて、息が吸えました。
なんか聖母マリア様みたいな人だったなあ。

男子控室は高校の部室みたいにガヤガヤしていて、「やっぱり大物はすげ〜」となんだか微笑ましかった。

14時。
本番が始まる。自分の出番までは客席で聴こうと思って、母とライターさんの隣で座ってたんだけれど、泣けちゃって心が激しく動いて、とにかく眩しかった。

本番のあの爆発力は、どこからやってくるんでしょう。
マスクの下で「かっこいい!やめて!助けて!きゃー!」とずっと悲鳴にも似た言葉を発してました。

園山さんとのステージはお楽しみいただけましたか?

休憩の後の出番だったので、ジローさんが背中をさすってくれたり、仁さんが「俺客席で観たいわあ」と言ってくれたり、かっちゃんはいつも通りニコニコした顔を見せてくれて、竹やんさんも優しくて、園山さんは「落ち着いてやろうね。想いが一番大切だもんね。」と大切な言葉を復唱してくれました。

「置賜の四季」が終わり下手にはけると、ステージのすぐ脇で松尾さんが椅子に座りながら笑って拍手してくれたのには涙が止められなかった。

「1989年、天皇が崩御した時には国民は皆自粛で、俺らもライブ延期したんだよ。」と初めて会った日に教えてくれたことを思い出した。

そのあと甲冑を来た園山さんとハグして喜び合いました。

山形のお客さん、本当にあたたかかったなあ。

いつもセッションするたびに、違う旋律を奏でる園山さんカッコいいなあ。こんな音楽家になりたいなあとしみじみ。

終演後は取材が入ったり、お仕事関係者のご挨拶があったり、笑顔で対応したいのに疲れ切っててほんと申し訳なかったです。

久しぶりに会った友達や親戚と写真撮影もして。
わたしはずっとこの写真大切に、誇りに持っておくからね。みんな元気でね。
そして一日お手伝いしてくれた親友美希ちゃん本当にありがとう。
美希ちゃんがいなかったら、今回のことは成し遂げられなかったよ。

そんなふうにあっという間に時間は過ぎて
19時。

気が付いたら、会場には私とマネージャーしかいなくて。

なんだかバタバタして全く気が休まらない中、終電もあるので急いで高畠駅へ。

いただいた花束やプレゼントの山で、車の中でぎゅうぎゅうになりながら高畠の風を浴びたのはいい思い出。

昼から何にも食べる暇がなかったというマネージャーと、高畠駅の隣のお店へ。

店には仁さんとかっちゃんさん、竹やんがいて
なんか、やっと今日が笑って終えられるような気がした。
30分間だけだったけれど、一緒にラーメン食べれて死ぬほど嬉しかった。

ビールでベロベロの仁さんが「久しぶりにいい娘に会えた。ちゃんと考えてて、あなたえらいね。本番よかったよ、MCも感動した!」って言われて。

「そんなこと言われたら涙が出てしまいます」と言ったら、孫をなだめるようにあやされたのには笑った。

音楽業界の第一線で活躍されてきた方って、もっとクールなんだと勝手に勘違いしていました。
ひとりの人、として対話してもらえて本当に嬉しかったです。
私はこの先、躓いてしまうたびにあのラーメン屋の事を思い出すと思う。

その後帰りの新幹線では、マネージャーと未来の話をした。
いつもいっぱいいっぱいで、へそ曲げたり怒ったりしている私を支えてくれて、本当に感謝してます、ほんとうは。
私がどんな時でも、そんなのお構いなしにいつも夢や希望の話をキラキラした顔でしててください。

帰宅してすぐファンクラブ限定の配信をして、そのあと姉から電話がきて、夜中の1時過ぎまで話してた。

お姉ちゃんの存在はありがたいなー。
いつもこうやってわたしは音楽を楽しませてもらってきたんだな。

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これからA.B.C.の映像がアップされると思います!

あのライブに参加された方の感想DMも全部読んでます(なかなか返事できなくてごめんなさい..自分の練習や今日のことで精一杯なのゆるして)

これから音楽していく上で活力になるので、感想など引き続きお待ちしています〜!

  • コメント ( 1 )

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  1. 戸澤

    とても素晴らしい演奏でした、感動しました、また素晴らしい音楽を奏でてね~♬

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